☆即納追跡可☆ 【PCGS鑑定】1959 エリザベス2世 ヤングヤング 聖ジョージ竜退治 ソブリン金貨 PCGS MS65 S-4125

発行国：イギリス
発行年：1959年
国王：エリザベス2世
額面：1ソブリン
素材：金
名君エリザベス2世の70年間に及んだ長期在位を彩る全5種の公式コイン肖像 
2022年9月8日、全世界に惜しまれつつ崩御された英国女王エリザベス2世。その栄光の治世は70年間にも及び、英国史上の最長在位期間としての記録を樹立しました。1975年には女王の初来日が実現しましたが、春たけなわの日本に降り立った40代後半の女王の楚々した姿は、我が国の人々を魅了し、また深い感動をもたらしました。その後もテレビでの放映やインターネットでの配信によってお見かけする機会の多かった女王は、世界にとっては正に「女王」そのものとして受け入れられていた感があります。1952年の2月に父王ジョージ6世の崩御を受けて女王が即位されるまで、英国人にとって「女王」という単語が意味する内容は随分と異なるものでした。20世紀の最初の年に崩御するまで、60年間にわたって旧大英帝国を率いたヴィクトリア女王こそが英国人にとっての唯一の女王像であったことが長く続いていたことから、女王と言うと老練で厳めしい老婆のイメージが主流でした。しかしエリザベス2世の即位によって、英国は若々しくも気品のある清楚な風貌の人物を君主として迎え入れることになりました。即位の翌年のウェストミンスター寺院における荘厳極まりない戴冠式は今や伝説化していますが、女王自身の個人的な願いが受け入れられ、ほぼ同時中継によるテレビ放映が許可されたことは、英連邦諸国を始め、世界中の人々にとっての夢の実現であり、眼福であったことでしょう。70年間に及んだ女王の存在は多種多様なメディアによって記録されていますが、中でも審美性に優れ、個性豊かな表現力によって女王の治世の春夏秋冬を多面的に表現した英国コインの世界は、他のメディアに見られるような色彩感こそないものの、逆にそれらには無い単色の説得力を誇示するものです。流通貨を含めて、女王の半世紀以上に及んだ在位期間には多種多様なモダンコインが発行されましたが、コイン上にて紹介された全五種の公式コイン肖像は、現代英国史が辿った稀有の時代の縮図として重要であり、また最高度の芸術作品でもあります。また、それらの作品には、発行元であった英国王立造幣局（ロイヤルミント）の独創性と美意識が反映されており、今日なおも我々の眼を魅了して止みません。それぞれ約15年間隔で発表された公式コイン肖像ですが、若干25歳の女王の溌溂とした表情を瞬間的に捉えた「第1肖像」（通称ヤングヤング・エリザベス）は、古代ギリシャ・ローマ時代の風格を感じさせる月桂冠を頭上に掲げる若き君主の崇高な姿を浮かび上がらせる秀作です。「第2肖像」（通称ヤング・エリザベス）発行当時、40代前半に差し掛かっていた女王ですが、女王としての気品を掲げながらも、まだまだ若々しい女性的な魅力によってコイン肖像の傑作群の仲間入りを果たした永遠の名作として知られています。続く「第3肖像」（通称ミドル・エリザベス）は、壮年期の女王の成熟と、君主としての貫禄を見せる作品です。「第4肖像」は72歳の女王の威厳と強靭な精神力を反映する佳作であり、決して見飽きることがありません。そして最後の「第5肖像」ですが、89歳の女王の柔らかな表情と会心の微笑みを描写した現代コイン肖像の最高傑作ではないかと思われます。女王の崩御に際して、これら5種の公式コイン肖像はコインの華として次世代に託され、英国貨幣の長大なる変遷の掉尾を飾るに相応しい個性と普遍性を兼備する第一級の芸術作品として次世代に継承されることになりました。 
 
現代英国史の集約ともいえるエリザベス2世の治世最初期の傑作 
 
今回ご紹介させていただく作品の表面には、エリザベス2世の治世の幕開けを象徴する「ヤングヤング・エリザベス」が刻まれています。1950年代のロイヤルミントを牽引した女流コインデザイナー、メアリー・ギリックの独創性が光るこの作品は、20世紀の英国貨幣界を代表する屈指の大作として知られています。今回ご紹介させていただくコインの表面には、意気揚々たる趣きを湛えた若干25歳の女王の横顔が描写されており、若年にして英国を率いることになった女王の気概を感じ取ることができます。そしてコイン裏面に見られる「聖ジョージの竜退治」のデザインですが、19世紀初頭の英国貨幣界に君臨したイタリア人名彫刻家、ベネデット・ピストゥルッチ（1783年-1855年）入魂の力作として今日まで受け継がれてきた重要な作品です。馬上から悪の象徴であるドラゴンを退治する聖人の風格は、あらゆる苦難を乗り越えて国家を統治する君主の姿になぞらえることが可能かと思われます。エリザベス2世の治世と共に発行を開始したモダンコインの世界ですが、意外なことに女王の治世初期のコインに関しては各種カタログには掲載されているものの、近年のオークションを始めとする市場においては目にする機会自体がめっきり減ってしまったものも多く存在します。中でも1950年代に発行されたモダンコインの数々は、その稀少性において群を抜いています。当コインは1958年の作品ですが、モダンコインといえどもヴィンテージの風合いを醸し出す貴重な一枚でもあります。英国コインのファンが皆一様に憧れる「ヤングヤング・エリザベス」を掲げる当コインは、20世紀から21世紀にかけての英国に君臨した伝説の君主エリザベス2世の思い出に捧げられる、現代英国史の集約とも言える傑作です。 
 
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